2013年2月26日火曜日

地元の本屋の思い出とか

とりとめのない、オチもない話を書くよ。

今日、地元の本屋に行った。

自分は初めてのバイトをそこで1年間だけしたことがあり、なんか気まずいので普段は行かない。
それも10年前のことだ。改めて書くとなんつー過去だ。
社員の顔もアルバイトの顔も覚えておらず、多分向こうもほとんどが入れ替わっているはず。唯一強烈なキャラクターを誇っていた社長の奥さんがまだいることがわかるくらい。

今思うと、よく雇ってくれたと思う。
当時は大学2年で、親からバイトでもして社会経験積めとせっつかれていた。
そして姉が勝手にバイトの面接の段取りをつけてきたのがその本屋だ。
振り返ると異常だ。

その頃の自分はでっかい銀縁眼鏡をして、キモオタのステレオタイプみたいな服を着てた。
半分以上は親が買っていたのと親戚のお下がり。ひどい。
今でも大して変わってない。

ダボダボのTシャツを着て汗を流しながら、面接官だった社長の奥さんに「好きな本は?」「村上春樹です」「あー最近人気よねー、どういうところが好きなの?」とか聞かれたのを覚えている。
その時なんて答えたのかは、はっきりと覚えていない。

本当に、よく雇ってくれたなと思う。
人出が足りていない感じでもなかったのに。

バイトの初期はずっと返本作業をしていた覚えがある。
シュリンクがある本はシュリンクを破いて、バーコードリーダーで読む。
本を箱に詰める。詰める。できるだけ本が傷まないよう綺麗になおかつ箱の体積が無駄にならないように木組みパズルをするのかのように詰める。
あとは清掃、そしてレジ。
ポップを書くようなセンスもなく、絵もかけず、字も下手だった。
なので、他のアルバイトや社員が作ったポップをラミネートにかけ、切り取り、所定の場所に貼り付けるなど。
高所作業で重宝されていた気がする。
わからないこと焦ったことはすべて社員に回した。まあ、それはいい。アルバイトが客の前でテンパるよりマシだ。

箒とちりとりを扱うのが苦手で馬鹿にされた覚えなどある。
あと、包装が下手くそすぎて社員からも客からもひどい目付きで睨まれた覚えがある。

客とトラブルを起こした覚えはほとんどない。
いわゆる真面目系クズだったので、真面目さが取り柄としてなんとかなっていたような気がする。

半年くらいして自分に近い感じの学生がまたバイトに入ってきた。
もしかすると社長の奥さんは「仕事が出来そうな奴」よりも「本を読んでそうな真面目そうな奴」を採用していたのかもしれない。

1年経過してちょうど慣れてきて、社員や他のバイトと食事に行くようになったあたりで辞めた。
自分の学部は工学系で、大学のコマ数が多くシフトに入れなくなったり、クラブ活動を優先したくなったりしたからだ。
その後は大学の学内のバイトなどで適当に過ごしていた。

ここでの接客の経験がたぶん、自分の糧になっている気がしないでもない。

その後ドラッグストアとかでもバイトしたりした。
キモオタでコミュ障でもバイト経験が4つぐらいになると、なんとかなるようになる。
これはマジで。


そういう自分にとって色々思い出のある本屋に今日行った。
何か面白い本がないか(というか暇つぶしに)ぶらぶらしていたら、社員やアルバイトの雑談が耳に入ることに気づいた。
たぶん昔もこうだったんだろう。
昔も今も相当なコミュ障でまともに雑談なんて出来なかったので、周りの社員やバイトが雑談している中ひたすら箱を閉じる機械をガチャガチャやったり、スリップを分けたりしていた気がする。

なんで雑談が気になったか、ということが帰ってから気になった。
よく行く3店舗ほどの大型書店では店員が雑談しているところなんて見たことも聞いたこともないからだ。
もっと言うなら、コンビニのバイトですら雑談しているところをほとんど見たことがない。
利益をあげようと必死になってるところは、どこも真面目過ぎる。

その本屋は新書や雑誌はともかく、漫画の品揃えが面白い。良い、じゃない。面白い。
「お、通ぶったところを出そうとしているな」とか「あ、これは完全コミック担当の趣味だな」とか「これは出版社の営業に負けたな」というのが目に見えてわかるからだ。
大型書店だとそういうのはあまりない。データに従って素直に並べるだけ並べていく。

地元の小規模なチェーンだけれど、たぶん経営がギリギリなんだろう。
気づいたら店舗がなくなったりしている。

ライトノベルの揃えは悪くないどころかむしろいいし。
漫画も前述したように面白いし、コミック担当の好みに近い。
応援して積極的に金を落としたほうがいいのかもしれない。

それでもいろんな思い出とか恥ずかしさとかがあって、結局そこの本屋で買い物をするのは年に1,2回、1000円くらいになってる。

それだけ。

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