とりあえず、自分が保有しているライトノベルレーベルを並べてみた。
ねんどろいど「ほむら+黒猫」は単なる飾り。
今年の夏頃からスマホ(Galaxy Nexus)を使ってライトノベルの電子書籍版をいくつか読んでいた。
便利。
すごい便利。
- 片手で読める
- 指一つでページめくりできる
- カバンにしまう必要もなく、ポケットからすぐ出して読める
- もちろんすぐ読むのをやめてポケットにしまうことができる
コレクターじゃない、中古バンザイで品質気にしない、イラストも印象さえつかめればOKな自分にとっては、「もう今後これしかねえ」と思うものだった。
でも、なかなか本格的に電子書籍に移っていくことができない。
巷で人気のKindleデバイスを購入しようと思っては立ち止まっている。
電子書籍の揃えが悪く、電子書籍サービスが分散しており迷っているからだ。
その迷いを吹っ切るためにも、ライトノベルを取り巻く電子書籍化の現状を大雑把に調査してみた。
ライトノベルを取り扱う主な電子書籍サービス
Kindleストア
Kindleストアは一番今後使いたい電子書籍サービス。
ストアサイト、スマホ用アプリ、さらには専用デバイス。
すべてが高い技術力によって作っており、信用できる。
先進的で、顧客よりの態度。値段も安くなりそうな予感。
一方で、出版社とは喧嘩しがち。
紀伊國屋書店BookWeb
そこそこ昔から稼働しているストアサイト。
「日本の本屋」としてのノウハウが詰まっており、サイトは手堅く見やすい。
電子書籍アプリもぼちぼちの出来で、そんなに悪くない。
どちらかというと保守的。
BOOK☆WALKER
サイトトップにほぼ頭にライトノベルの文字を掲げている。
それに恥じず、ライトノベルに強い。
サイト構成もビジュアルと説明のバランスが良く、見やすい。
電子書籍アプリの出来は・・・発展途上。悪いと断言するにはまだ時間が経っていない。
出版社との結び付きが強く、独自のキャンペーンや特典などがありそう。
一方で値下げに関しては期待できそうにない。
電子書籍ストアにおける取り扱い数
表にしてみた。
調査を行ったのは2012/12/17の0時。
調査方法としては、シンプルにレーベル名で検索を行い、ヒット数を確認した。
(ただし、BOOK WALKERはわざわざレーベル名で一覧を確認できるリンクがあり、それを利用)
※Amazonの検索結果は曖昧なところあり。別レーベルの本が検索結果に紛れるなど。
青色で表示しているのは特に扱い数が多いところ。
赤色で表示しているのは1冊も取り扱っていないところ。
調査の感想
各ライトノベルレーベルの電子書籍化状況
一番電子書籍に積極的もとい品ぞろえが豊富なのが
富士見ファンタジア文庫。
3ストアすべてで500冊超え。さらに、紀伊國屋書店においては初の1000冊突破を見せている。
これは嬉しい結果だった。一番好きなレーベルだから。
MF文庫Jの冊数も多い。
3ストアすべてで500冊超え。
3ストアの冊数にあまり差がついていないのも好印象。
これは、今後電子書籍ストアの勝敗が決まりどれかが撤退する、という事態が起きても柔軟に対応できることを示している。
読む権利をそのまま移行できる、というところまで期待はしないが、それに近いサービスはあってもおかしくない。
スニーカー文庫は冊数は少ないものの、MF文庫J同様にストアに区別がない。
その点で好印象だ。
レーベル自体の勢いがないが、歴史が長く多くの名作を揃えている。
それら資産の電子書籍化を推し進めるて利益の足しにして欲しいところだ。
悲しいのが、売れ行きおよび人気のある
電撃文庫。
BOOK WALKERで300冊を超えているものの、紀伊國屋書店では0冊、Kindleストアではこの前まで0冊だった。
この前までは。
それが気づいたらアリソンといった名作をKindleストアにて販売し始めている。
見逃せない流れだ。
GAGAGA、GA、スーパーダッシュは電撃文庫と同様にストアごとの取り扱い差が大きい。
保守的な出版社がバックグラウンドにおり、ストアをまたいだ展開が難しいのだろう。
ココらへんが積極的になれば(あるいはなるような流れが起きれば)、ライトノベルの電子書籍化は雪崩を打って始まりそうな感じがする。
ストアごとの差
思った以上にKindleストアが善戦している。
取り扱いレーベル0冊がない。
以前読んだ電子書籍に関する記事では「Kindleは黒船だが、思った以上の効果は発揮できていない」というものだった。
この結果を見ると楔を打ち込むことには成功しているように見える。
楔が亀裂になって、決壊するかどうかは電撃文庫のラインナップの揃えにかかっているように思える。
紀伊國屋書店とBOOK WALKERはサイト構成がいいが取り扱いに差があるのが玉に瑕。
紀伊國屋書店は実際にある書店のオンラインストアという形である一方、BOOK WALKERは電子書籍専門サイト。
ライトノベル専門と謳いつつも、実際は電撃文庫とGA文庫の揃え、そして独自企画を売りにしている。
独自企画はともかく、レーベルの寡占に関しては、Kindleに楔を入れられてしまっている。
今後、対抗していけるのか?
BOOK WALKERはニコニコ静画と連携などしているので、プロの作品の電子書籍ストアというよりももっと、CGMに近いところを伸ばしていきそうな予感がある。
魅力的で癖の強い新人の拾い上げなど。
また、動画配信の組み合わせによるメディアミックス展開なども強そうだ。
ココらへんは工夫をすれば、面白いことが演出できるのではないだろうか。
・・・ただ、電子書籍サービスだけで評価すると微妙。
まとめ
調査したからといってライトノベルの揃えが増えるわけじゃないが、現状でもギリギリ紙の本を捨てて電子書籍にシフトできなくはない。
いや、嘘ごめん、無理。
まだ新刊のリリース速度が遅く、名作の揃えも悪い。
本格的に電子書籍に移行するのはもう少し待ってからにしたい。
いつになったら電子書籍を本格的な購入の場にすればいいのか?
個人的には、
電撃文庫がKindleストアに新作名作揃えて1000冊を超えるタイミングあたりが目安になってるんじゃないかと思っている。
それには1年はかかりそう。ただ、3年はかからないと期待している。
その頃になれば、電子書籍サービスのノウハウが出版社、サイト、デバイスおよびアプリに反映され、紙の書籍以上の魅力を誇るものになってくれるんじゃないだろうか。
以上。